top of page
  • kagawa46

Rotor syndrome患者における胆汁酸分析の結果がHepatology Communicationsに掲載されました。

Rotor syndrome患者の血清、尿中胆汁酸組成を詳細に解析し、グルクロン酸抱合胆汁酸が著増していることを明らかにしました。グルクロン酸抱合胆汁酸は健常人の血清にはほとんど認められず、注目を集めることはありませんでしたが、Rotor syndrome患者の血清では総胆汁酸の50%以上を占めていることがわかりました。グルクロン酸抱合胆汁酸はzone 3で発現しているOATP1B1, OATP1B3により肝細胞に取り込まれると考えられています。Rotor syndromeではOATP1B1, OATP1B3が共に機能を欠失しており、上流(zone 1)で作られたグルクロン酸抱合胆汁酸が下流(zone 3)の肝細胞で取り込まれないため、グルクロン酸抱合胆汁酸の血中濃度が上昇していると考えられます。グルクロン酸抱合胆汁酸は上流の肝細胞で合成され、MRP3を介して類洞に排出、その後下流の肝細胞に取り込まれ、毛細胆管に排出されていると推測されます。すなわち、胆汁うっ滞時などに生じる上流肝細胞の胆汁酸負荷を軽減するため存在していると考えられます。本研究は久留米大小児科の木村昭彦先生、順伸クリニックの入戸野博先生等との共同研究です。

Rotor Syndrome: Glucuronidated Bile Acidemia From Defective Reuptake by Hepatocytes. Hepatol Commun. 2020 Dec 31;5(4):629-633. PMID: 33860121 PMCID: PMC8034574 DOI: 10.1002/hep4.1660


閲覧数:25回0件のコメント

最新記事

すべて表示

第55回神奈川県消化器病医学会総会が11月25日に横浜で開かれました。大学院生の上田孝先生が「経過観察中に寛解と再燃を起こした低異型度虫垂粘液性腫瘍の1例」を、来年度入局予定の辻優美先生が「膵神経内分泌癌による異所性ACTH産生症候群の1例」を発表してくれました。

bottom of page